以前の記事で、now or neverの意味と接続詞orの使い方を紹介しました。接続詞ORはnow or neverのような表現と相関接続詞(correlative conjunction)で使われます。相関接続詞とは、二つの接続詞がペアとなる接続詞です。例えば、either A or Bがその一つです。
接続詞either A or Bの使い方にはルールがありますが、ORが含まれている表現やイディオムの場合、文法にこだわるより例文で覚えた方が早いです。表現とイディオムは沢山ありますが、耳にした事があるのはいくつかあるのではないでしょうか?
本日は、相関接続詞either A or BとORの表現集23選を、講師として18年以上の経験を持つネイティブ・スピーカーで異文化コミュニケーションの専門家(米・仏・日)である筆者が紹介します。ORを使った表現を一気に覚えましょう!
1. 相関接続詞either A or Bの使い方
・either A or Bのルール
・either A or Bの例
2. ORを使った表現とイディオム集
1. all or nothing
2. a thing or two
3. believe it or not
4. come hell or high water
5. (come) rain or shine
6. dead or alive
7. double or nothing(ゲーム用語)
8. fight-or-flight
9. for better or for worse
10. give or take
11. heads or tails
12. life or death (life-or-death)
13. make heads or tails of ~
14. make or break
15. more or less
16. now or never
17. once or twice
18. rhyme or reason
19. sooner or later
20. take it or leave it
21. whether or not
22. (whether you) like it or not
23. ~ or bust
1. 相関接続詞either A or Bの使い方
either A or Bのルール
① either A or Bは二つの選択を繋げます
Next summer, I will go either to Guam or the Maldives.
「来年の夏は、グアムかモルディブのどちらかに行きます。」
② AとBは、文法的に似たものを繋げます(単語と単語、句と句、節と節、など)。
③either…or…の逆はneither…nor…です。
I will go either to Guam or the Maldives.
「グアムかモルディブのどちらかに行きます。」
I will go neither to Guam nor the Maldives.
「グアムにもモルディブにも行きません。。」
either A or Bの例
単語と単語
The color choices are either red or blue.
「色の選択肢は赤または青です。」
The color choices either are red or blue.❌
注:動詞のareとeitherが逆になっています。
句と句(主語と動詞の構造が無い複数の単語のまとまり)
You can go either with me or your brother.
「私かお兄ちゃんのどちらかと一緒に行ってもいいよ。」
You can either go with me or your brother.❌
注:動詞のgoとeitherが逆になっています。
節と節(主語と動詞の構造がある複数の単語のまとまり)
Either I buy tickets online now or we get them at the theater tomorrow.
「今からオンラインでチケットを購入するか、明日劇場で購入するかのどちらかです。」
ORを使った表現とイディオム集
1. all or nothing
「全か無か」、「一か八かで」、「全てを賭けた」という意味の表現です。中途半端がない事を指します。
You either accept the offer or reject the offer – it’s all or nothing.
「あなたはオファーを受け入れるか、オファーを拒否するか、やるかやらないかです。」
We must use all our remaining resources – it’s all or nothing.
「残りの資金をすべて使用しなければなりません。一か八かです。」
2. a thing or two
「一つか二つの事」、「多少の事」という意味ですが、場合によって「かなりの事」という風にも使えます。
その為、謙虚さを表す事ができます。
Sorry, I can’t help you right now. I have a thing or two on my mind.
「申し訳ない、今は手伝えません。いくつかの悩み事(気掛かりなこと)がありますので。」
I know a thing or two about financial investments if you need any advice.
「金融投資について多少の知識はありますので、何かアドバイスが必要な場合は」
Tom is the expert on the subject. Perhaps he can teach you a thing or two about the job.
「トムそれについての専門家です。おそらく彼はこの仕事について色々教えてくれるでしょう。」
3. believe it or not
発言が驚くべきものであることを認めるために使われる。
Believe it or not, I was quite popular in high school.
「今からすると信じてもらえないかも知れないけど、私は高校時代かなり人気がありました。」
The other day, my husband did the dishes and cleaned the house, believe it or not.
「この前、信じられないかもしれませんが、夫が皿洗いと家の掃除をしてくれました。」
4. come hell or high water
「何事が起きても・何が何でも・どんな試練(困難)でもやり遂げる」と言う意味のイディオムです。
Come hell or high water, I will be on time to pick you up at the airport.
「どんな事が起きようと、時間通りに空港までお迎えに行きます。」
I must finish my essay by Friday, come hell or high-water.
「何がなんでも金曜日までに論文を完成させなければなりません。」
5. (come) rain or shine
「晴雨に関わらず」・「降っても晴れても」と言う意味のイディオムです。
Filming will continue this month, come rain or shine.
「撮影は今月、雨が降っても晴れても続きます。」
Come rain or shine, Tom goes running every morning.
「晴雨に関わらず、トムは毎朝ランニングに行きます。」
6. dead or alive
We’ve searching for him for 48 hours but we still don’t know if he is dead or alive.
「彼を探し始めて48時時間経過しましたが、彼が死んでいるのか生きているのかはまだわかりません。」
Billy the Kid is wanted dead or alive.
「お尋ね者のビリー・ザ・キッドは生死を問わず指名手配されている。」
7. double or nothing(ゲーム用語)
次の賭けで負けたら、損失額が2倍になるか、勝っても差し引きゼロになる状況を意味します。
all or nothingと似ています。
I’m going double or nothing.
「いちかばちかの勝負にでます!」
This is my last chance. Double or nothing!
「これが最後のチャンスです。一か八か!」
8. fight-or-flight
「闘争・逃走反応(fight-or-flight response)」は、動物が示す恐怖への反応の事です。
The fight-or-flight is a physiological reaction to a threat.
「戦闘・逃走は脅威に対する生理学的反応です。」
Epinephrine is a fight-or-flight hormone.
「エピネフリンは闘争・逃走ホルモンです。」
9. for better or for worse
「良くも悪くも」、「良いときも悪いときも」、「どんなことがあろうと」と言う意味になります。
Susan and George got divorced for better or for worse.
「スーザンとジョージは良くも悪くも離婚しました。」
For better or for worse, I decided to join the company.
「どうなろうとも、この会社に入社することにしました。」
10. give or take
「およそ」・「大体」・「プラスマイナス」・「差し引きして」と言う意味になります。
It will take a week to deliver the product, give or take a couple of day.
「1日ほどズレるとしても、製品の届けまで1週間かかります。」
The sea around here is 3,000 meters deep, give or take.
「このあたりの海は深さがプラスマイナス3,000メートルもあります。」
11. heads or tails
二択の決め事をする時に行うコイン・トスの時に言います。
Let’s flip a coin. Call it. Heads or tails?
「コイン・トスで決めよう。宣言して。裏、表どっち?」
12. life or death (life-or-death)
life and deathの別の言い方で、「生きるか死ぬかの」、「生死に関わる」、「死活の」と言う意味です。
This situation is a matter of life or death.
「この状況は死活問題です。」
Firefighters deal with life-or-death situations on a daily basis.
「消防士たちは毎日生死にかかわる状況に対処しています。」
13. make heads or tails of ~
「~を全く理解できない」、「~についていけない」という意味の表現です。
I can’t make heads or tails of this situation.
「この状況を理解することが全くできません。」
14. make or break
「運命のわかれ道・運命を左右させる」と言う意味になります。
Ms. Anderson can make the final decision that will make or break the company.
「アンダーソンさんは会社の成否を左右する最終決定を下すことができます。」
Nowadays, comments from fans on social media can make or break a movie.
「今日、ソーシャルメディアのファンからのコメントは、映画をの成功を左右させる事ができます。」
15. more or less
「多かれ少なかれ」、「大体・おおよそ」、「まあまあ」と言う意味になります。
The project was more or less successful.
「このプロジェクトは多かれ少なかれ成功しました。」
These two lines are more or less parallel.
「これらの2つの線は、大体平行です。」
The manager was happy with out project, more or less.
「マネージャーは、私達のプロジェクトにまあまあ満足していました。」
16. now or never
「今しかない」・「今がチャンス」、そうでなければ二度とチャンスは訪れないと言う意味です。
It’s now or never to raise your hand and ask a question!
「手を上げて質問をするのは今しかないよ!」
It’s now or never to leave the party.
「今のうちにこのパーティから抜け出そう!」
17. once or twice
「一度や二度」、「何度か」と言う意味で、a fewの代わりに使えます。
We’ve been to that store once or twice before.
「私たちは以前に1、2回その店に行ったことがあります。」
I’ve visited that country once or twice in my life.
「私は人生で一度か二度その国を訪れたことがあります。」
I go to the gym once or twice a week.
「私は週に1、2回ジムに行きます。」
18. rhyme or reason
「理由・訳」を意味するイディオムです。without rhyme or reasonという風によく使います。
There is no rhyme or reason to why he behaves that way.
「彼がそのように行動する理由や訳は何もありません。」
I don’t understand what happened. Without rhyme or reason, he just left the party.
「何が起きたのかわかりません。何の理由もなく、彼はパーティーを去りました。」
※「筋道の通っていない」、「訳の分からない」という意味にもなります。
19. sooner or later
「いつかは」、「いずれは」、「遅かれ早かれ」という意味の表現です。
Sooner or later, you will pay for your misdeeds.
「このような行動を続けていると、いずれ必ず自分の悪行の代償を払うことになります。」
You will have to tell the truth sooner or later.
「遅かれ早かれ真実を言わなければなりません。」
20. take it or leave it
申し出に対して受けるか否か、それ以上の交渉は受けないという意味です。
I’ll give you 20 dollars for the entire box – take it or leave it.
「箱丸ごと20ドルあげますが、これ以上の交渉は受けません。」
21. whether or not
「〜かどうかは」、「・・・であろうが・なかろうが」、「~かどうかに関わりなく」と言う意味になります。
Whether or not they accept our terms, we will move on with the project.
「彼らが私たちの条件を受け入れるかどうかに関係なく、私たちはプロジェクトを進めます。」
The only issue is whether or not he was telling the truth.
「唯一の問題は、彼が真実を語っていたかどうかだ。」
Whether it rains or not, we will continue playing until the ninth hole.
「天気が良くても悪くても、9番ホールまでプレーを続けます。」
22. (whether you) like it or not
「泣いても笑っても」、「好き嫌いにかかわらず」と言う意味の表現です。
Like it or not, you will have to submit your report by Friday.
「好むと好まざるにかかわらず、金曜日までにレポートを提出しなければなりません。」
Whether we like it or not, today is last day of our trip.
「泣いても笑っても、今日は旅の最終日です。」
23. ~ or bust
「やり切る、思いっきり・何がなんでも・絶対に達成させる(その他の選択は失敗しかない)」と言う意味です。
It’s gold medal or bust for Japan!
「(ここまできたら)日本チームは金メダルを取るしかないでしょう!」
Rock or Bust – AC/DC
『ロック・オア・バスト』AC/DCのスタジオ・アルバムです。
The Takeaway(要点):
英語で接続詞ORは、相関接続詞(correlative conjunction)either A or Bをはじめ、now or never、sooner or later、more or lessなどの様々な表現やイディオムで使われています。
英語のテストでよく出てくる接続詞either A or Bはいくつかの文法のルールがありますが、今回紹介したイディオムや表現集は文法を気にせずに例文で覚えてくみてください。よく耳にする物を選びましたので、中ではもう既に知っていたものはあったのではないでしょうか?
Thanks for reading until the end! Believe it or not, that’s all for now!