英語のネイティブ・スピーカーはratherを様々な場面で良く使います。場面に合わせてニュアンスが変わるのですが、日本では選択の「好み」を表す時以外の使い方は少ないような気がします。その理由は、ratherは使いづらいところがあるからと聞きます。
確かに、「好み」と「選択」を表すI would rather…than…ですが、ratherの位置を変えると文の意味が変わります。例えば、次の二つの文を比べると分かります:
①It seems the children would rather play video games than play outside.
「子ども達は外で遊ぶよりもテレビゲームをするほうが好きなようです。」
②It seems the children would play video games rather than play outside.
「子ども達は外で遊ぶよりもテレビゲームをするようでした。」
これに加え、ratherを使って「ある程度」を表す事ができますが、英和辞書を調べると「少々」、「かなり」や「だいぶ」と言う幅広い単語が出てきます。また、rather likeだけを見ると、その後にくる品詞によっては「似ている」と言う意味にもなりますが、「結構好き」と言う意味にもなりますので、使いづらいと言われるのがよく分かります。
本日は、英語で様々なratherの意味と12通りの使い方40選を、ネイティブ・スピーカーで異文化コミュニケーションの専門家(米・仏・日)である筆者が紹介します。例文を通して、ratherをマスターしましょう!
1. 選択の「好み」を表すwould rather
・than有の例文
・than無しの例文
2. 「程度」を表すrather
・rather + 形容詞
・rather + 形容詞 + 名詞
・「量」や「頻度」を表すrather a lot
・rather a + 名詞
・「似ている」と言う意味のrather like + 名詞・動名詞
・rather + 動詞
・rather + 比較級
3. 好き嫌いの程度を和らげたrather like/enjoy/dislike/hate
4. 「(もっと)正確に言うと」・「正しくは」と言う意味のrather
5. 「(と言う)よりも」・「逆に」と言う意味のrather
1. 選択の「好み」を表すwould rather
than有の例文
She would rather die than go on stage in from of all these people.
「人前でステージに上がるより、死んだ方がマシだと彼女は思っている。」
I’d rather be jobless than work for that evil company.
「あの邪悪な会社で働くより無職の方がマシだ。」
Some employees would rather work from home than go to the office.
「一部の従業員はオフィスに行くよりも在宅勤務を好みます。」
It seems the children would rather play video games than play outside.
「子どもたちは外で遊ぶよりもテレビゲームをするほうが好きなようです。」
than無しの例文
I understand how you feel but I’d rather you didn’t say anything for now.
「気持ちは分かるけど、今は何も言わないでほしい。」
I’m a little tired so I’d rather not go out today.
「今日は少し疲れているのでなるべく出かけたくないです。」
Would you like some red wine or would you rather stick to white?
「赤ワインにしますか、それとも白ワインで続けますか?」
– Would you rather stay home or go out today?
「今日は家にいる、それとも出かける?」
– It’s so hot outside, I’d rather stay home.
「あまりにも外が暑いので、どちらかと言えば家にいたいです。」
※than go outside「外に出るより」が省略されています。
– Would you like something to drink such as wine?
「ワインなど召し上がりますか?」
– I’d rather have a beer if you have any.
「(ワインより)できればビールがいいな。」
– Would you like to go hiking this weekend?
「今週末はハイキングのでもいく?」
– I’d rather not.
「結構です。」
こちらの記事も宜しければどうぞ → 英語でwouldの意味と7つの使い方55選
2. 「程度」を表すrather
rather + 形容詞
This children’s puzzle looks easy but it’s rather complicated even for an adult.
「この子供向けのパズルは簡単そうに見えるけど、大人にとっても結構難しいと思う。」
I heard both sides of the story but don’t you think this situation is rather silly?
「両サイドの言い分を聞いたけど、この話自体どちらかと言うとくだらないと思わない?」
My presentation was rather successful.
「プレゼンは割と成功しました。」
rather + 形容詞 + 名詞
She got me out of rather an embarrassing situation.
「彼女は私を(話すと)恥ずかしい状況から救ってくれました。」
※a ratherでも大丈夫です。
I’m afraid I have some rather bad news to share with you.
「恐れながら、かなり残念なお知らせがあります。」
注:rather someとは言いません。
– Are you hungry?
「お腹すいた?」
– Rather the opposite actually. I’m still full from lunch.
「実はその逆だね。お昼を食べて以来お腹がいっぱいです。」
「量」や「頻度」を表すrather a lot
The repair of my laptop cost me rather a lot of money but I had no other choice.
「ノートパソコンを修理するのにかなりの金額でしたが、仕方ありませんでした。」
My boss gave rather a lot of work to do this weekend.
「上司は今週末私にかなり多くの仕事を与えました。」
Our baseball team practices rather a lot especially before a big game.
「私たちの野球チームは、特に大きな試合の前にはよく練習します。」
※この場合は「量」と言うより「頻度」を表します。
My family and I go to this restaurant rather a lot.
「私は家族とこのお店によく行きます。」
rather a + 名詞
It was rather a shock to learn about his divorce.
「彼の離婚を知ったときはかなりショックでした。」
※どちらかと言うとフォーマルな言い方ですので、文章を書く時に使います。
It would have been rather a surprise if he had shown up to the party.
「彼がパーティーに現れていたらちょっと驚いたかもしれない。」
「似ている」と言う意味のrather like + 名詞・動名詞
Some experts say that dinosaurs were rather like birds.
「一部の専門家は恐竜はどちらかと言うと鳥に似ていたのではないかと言っています。」
注:「好み」を表す (I) rather likeとは意味が違います。
I’m my personal opinion, going to Okinawa is rather like going to Hawaii.
「沖縄に行くのはハワイに行くのと凄く似ていると個人的に思う。」
rather + 動詞
Since it’s sunny today, we were rather hoping to sit at the terrace.
「今日は天気が良いので、むしろテラスに座ることを望んでいました。」
I rather felt uncomfortable during the whole dinner.
「むしろ夕食中ずっと不快な気分でした。」
rather + 比較級
Meeting my friend after 10 years, I found him rather less interesting than he used to be.
「10年ぶりに友人に会ったが、彼は以前よりもむしろ面白くなくなったように感じた。」
The movie was rather more interesting than I expected.
「期待していたより映画は意外と面白かったです。」
3. 好き嫌いの程度を和らげたrather like/enjoy/dislike/hate
I rather like to be by myself at home.
「家で一人でいるのが結構好きです。」
I rather enjoy the new season of CSI.
「CSI科学捜査班の新シーズンを割と楽しんでいます。」
It’s not that he hates jazz but he rather dislikes it.
「彼はジャズが大っ嫌いという訳ではないが、あまり好んでいません。」
She rather hates her new boss.
「彼女はむしろ新しい上司を嫌っています。」
4. 「(もっと)正確に言うと」・「正しくは」と言う意味のrather
My sister, or rather my sister-in-law, does volunteer work in Africa.
「私の妹、正確には義理の妹、はアフリカでボランティア活動をしています。」
Thanks to his work, or rather his team’s work, the project was completed on time.
「彼の仕事のおかげで、と言うより彼のチームのおかげで、プロジェクトは予定通りに完了しました。」
That’s my wife’s car really, rather than mine.
「私の車と言うより、妻のです。」
5. 「(と言う)よりも」・「逆に」と言う意味のrather
You should be relieved rather than disappointed.
「ガッカリするよりもホッとしたんじゃない?」
Rather than feeling sorry for yourself, you should do something about it.
「自分を哀れむより、自分でなんとかするべきだ。」
Rather than sending an email, wouldn’t it better to call the client?
「メールを送るより直接クライアントに電話をした方がいいのでは?」
Can we meet on Tuesday rather than Monday?
「月曜日より火曜日に会う事はできますか?」
It seems the children would play video games rather than play outside.
「子どもたちは外で遊ぶよりもテレビゲームをするようでした。」
注:It seems the children would rather play video games than play outsideでは
ratherの位置が違う為、意味が異なります。Would ratherは「好み」を表します。
The Takeaway(要点):
英語でrather、又はrather thanは場面に合わせて様々な用法が実際にありますが、日本ではかなり限定された使い方をします。その理由としては、おそらく使い方によって文の意味合いが変わるのと、「程度」を表そうとすると、意味の幅が広すぎるからだと思います。
元は、ratherは「比較」を表す単語でしたので、選択の「好み」を表現する際に一般的に使われます。この記事で紹介した他の使い方を見ると、基本的には「比較」をしている事が分かります。ですので、「正確に言うと」、「どちらかと言うと」や「と言うよりも」と言う意味としてratherが使用できます。是非使ってみましょう!
Thanks for reading until the end! Would you say it was rather simple to understand?