英語の疑問文は、主語と動詞の位置を変え忘れたり、どの助動詞を使うのか迷ったりして、肯定文を作るよりかなり複雑なイメージがあります。また、ビジネスの場面で丁寧な質問の仕方も更に難しいという印象ですが、実は間接疑問を使えばとても簡単になります!
丁寧に英語で頼み事をしたり、情報を得たい時は間接疑問文(英:indirect question/embedded question)を使うのが便利です。例えば、直接疑問文(英:direct question)のWhat time is it?は、間接疑問文にするとCould you tell me what time it is?になります。
Could you tell me…?(「教えていただけますか?」)の様な導入のフレーズをいくつか知っていれば、その後に名詞や名詞句を付け加えるだけで文法で混乱せず間接疑問文が出来上がり、情報を丁寧に聞き出す事ができます!ついでですが、情報が欲しい場合、Could you teach me…?は不自然な表現です。
本日は、丁寧に情報を得る為の間接疑問文の3つの使い方と例文55選を、講師として18年以上の経験を持つネイティブ・スピーカーで異文化コミュニケーションの専門家(米・仏・日)である筆者が解説します。
1. 間接疑問文とは
2. 丁寧に情報を聞き出す間接疑問文
a) Could/Can you tell me + 名詞(欲しい情報) ?
b) Could/Can you tell me + 名詞句 ?
c) Could/Can you tell me + IF + 肯定文 ?
d) Could/Can you tell me + 5W1H + 肯定文 ?
e) Could/Can you tell meより丁寧に知らせて欲しい時の表現
f) Could/Can you tell meの代わりに使える間接疑問文
3. 感情や思いを足す間接疑問文
a) 好奇心や疑問を持つことを表すI wonder
b) 助け、お願い、許可を求めるI was wondering if/whether
c) 分からない・知らない事を示すI don’t know if/whether
d) 不安感または自信のなさ示すI’m not sure if/whether
e) 未知、予測不可能な事を示すWho knows
4. 直接話法から間接話法に変える間接疑問文
5. 間接疑問文の5つの注意点
1. 間接疑問文とは
間接疑問文はいつ使うのか
普通の質問より丁寧に聞こえるので、頼み事をしたり、ビジネスの場面で情報を得たい時によく使います。また、道案内の時によく使います。
間接疑問文は主に、3つの使い方があります:
- 文法で混乱せず丁寧に情報を聞く・お願いをする
- 疑問に感情やニュアンスを加える
- direct speech(直接話法)からindirect speech(間接話法)に変える
間接疑問文の基本的な作り方
間接疑問文は常に導入フレーズで始まります。間接疑問文を作る時は、Could you tell me…?の様な導入のフレーズの後に得たい情報に関する質問の疑問詞を使用します。この時、YES/NO系の疑問文の場合はifを使います。そうでない場合は、5W1Hが来ます。
2. 丁寧に情報を聞き出す間接疑問文
Could/Can you tell me + 名詞(欲しい情報) ?
Could you tell me your name please?
「あなたの名前を教えていただけますか?」
Could you tell me the time?
「時間を教えてもらえますか?」
Could you tell me the meeting date?
「会議の日付を教えていただけますか?」
Could/Can you tell me + 名詞句 ?
Could you tell me the best way to the airport?
「空港までの一番良い方法を教えていただけますか?」
Could you tell me the name of the restaurant you went to?
「あなたが行ったレストランの名前を教えていただけますか?」
Could tell me the reason of your absence?
「あなたが欠席した理由を教えていただけますか?」
Could/Can you tell me + IF + 肯定文 ?
Could you tell me if I’m in the right building?
「正しい建物にいるかどうか教えていただけますか?」
Could you tell me if Tom will attend the meeting?
「トムがその会議に出席するかどうか教えていただけますか?」
Could you tell me if there are any mistakes in my document?
「私の書類に間違いがあれば教えていただけますか?」
Could/Can you tell me + 5W1H + 肯定文 ?
Could you tell me what time it is?
「今何時か教えていただけますか?」
Could you tell me where I can get that kind of watch?
「そのような時計はどこで買えるか教えてもらえますか?」
Could you tell me who you spoke to on the phone?
「電話で誰と話したか教えていただけますか?」
Could you tell me when the train arrives?
「電車がいつ到着するか教えていただけますか?」
Could you tell me why there is a huge line at the store?
「なぜその店に大行列ができているのか教えていただけますか?」
Could you tell me how I can book a room online?
「オンラインで部屋を予約する方法を教えていただけますか?」
Could/Can you tell meより丁寧に知らせて欲しい時の表現
Could you inform me of the meeting time?
「集合時間を教えていただけますか?」
Could you inform us of your arrival time?
「到着時刻をお知らせいただけますか?」
Could you please inform me of the current project status?
「現在のプロジェクトの状況を教えていただけますか?」
Could/Can you tell meの代わりに使える間接疑問文
・Would/Do you mind + -ING …?
Would/Do you mind telling me your name please?
「お名前を教えていただいてもよろしいでしょうか?」
※この場合、動詞はingの形になります。
Would/Do you mind giving me the client’s contact information?
「クライアントの連絡先情報を教えていただけますか?」
・Would/Do you happen to know…?の使い方
Would/Do you happen to know the time?
「現在の時刻は分かりますか?」
Would/Do you happen to know how much time is left?
「残りどれくらい時間があるか知っていますか?」
Would/Do you happen to know where room 120 is?
「120号室がどこにあるかご存知ですか?」
・Would/Do you happen to have + 名詞 ?
Would/Do you happen to have some change?
「小銭は持ってたりしますか?」
Would/Do you happen to have the client’s contact information?
「クライアントの連絡先を知っていたりしますか?」
・I’d like to know…
I’d like to know what happened.
「何が起こったのか知りたいです。」
I’d like to know if he is telling the truth.
「彼が本当のことを言っているかどうか知りたいです。」
I’d like to know whether he is telling the truth or not.
「彼が本当のことを言っているのかどうか知りたいです。」
・Do you know…?の使い方
※ややカジュアルな言い方になりますが、Excuse meなどと一緒に使うと十分丁寧です。観光時に道を聞いたりするときによく使います。
Excuse me, do you know the best way to the airport?
「すいません、空港までの一番良い方法を教えていただけますか?」
Pardon me, do you know how to get to the station?
「ごめんなさい、駅への行き方を知っていますか?」
Sorry to bother you. Do you know where I can buy tickets for the Shinkansen?
「お邪魔して申し訳ありません。新幹線の切符をどこで買えるか知っていますか?」
I beg your pardon. Do you know why there is a long queue at the ticket window?
「申し訳ありませんが、なぜ切符売り場に長い列ができているか知っていますか?」
Sorry, do you know if this is the right way to the station?
「これが駅へ行く正しい道かどうか知っていますか?」
3. 感情や思いを足す間接疑問文
好奇心や疑問を持つことを表すI wonder
I wonder + 5W1H + 肯定文
I wonder what will happen next.
「次に何が起こるのか気になります。」
I wonder why nobody came to Tom’s party.
「なぜ誰もトムのパーティーに来なかったのだろう。」
I wonder how we could finish the project on time.
「どうすれば予定通りにプロジェクトを終えることができるだろうか。」
I wonder + IF + 肯定文
I wonder if this is the best way to learn the piano.
「これがピアノを学ぶ最良の方法なのでしょうか。」
I wonder if everyone received their invitation.
「みんなに招待状はちゃんと届いたのかな。」
I wonder if you could help me.
「手伝ってもらえないでしょうか。」
助け、お願い、許可を求めるI was wondering if/whether
I was wondering if I could borrow your book.
「あなたの本を借りてもよろしいでしょうか。」
I was wondering if you knew someone who could help me.
「私を助けてくれる人を知っていますか。」
I was wondering whether she will change (or not).
「私は彼女が変わるかどうか疑問に思っていました。」
分からない・知らない事を示すI don’t know if/whether
I don’t know if this is the best way to learn the piano.
「これがピアノを学ぶ最良の方法であるかどうかはわかりません。」
I don’t know if they have received my email.
「彼らが私のメールを受け取ったかどうかはわかりません。」
I don’t know whether to stay or leave.
「残るべきか去るべきか分かりません。」
不安感または自信のなさ示すI’m not sure if/whether
I’m not sure if this is the best way to learn the piano.
「これがピアノを学ぶ最良の方法であるかどうかはわかりません。」
I’m not sure if he will show up.
「彼が現れるかどうかはわかりません。」
I’m not sure whether to buy or rent a car.
「車を購入するかレンタルするか迷っています。」
未知、予測不可能な事を示すWho knows
※「なんとも言えない」と言う意味になります。
Who knows what happened.
「何が起こったのか誰にも分かりません。」
Who knows how that accident happened.
「この事故がどのようにして起こったのかは誰にもわかりません。」
Who knows if he is telling the truth.
「彼が本当のことを言っているかどうかわかりませんが。」
4. 直接話法から間接話法に変える間接疑問文
解説:間接話法とは、他の人が言ったことを誰かに伝えることですので、自制は直接話法より「一つ前の過去」を使います。例えば、I amはI wasに変わります。また、話をしている相手によって、主語などの代名詞も揃えないといけない時もあります。次の例を見ていきましょう:
直接話法 : “What time is it?”
→ 間接話法:He asked what time it was.
直接話法 : “Where are you going?”
→ 間接話法:He asked where I was going.
助動詞のdoは間接話法では無くなります:
直接話法 : “How do you commute to work? ”
→ 間接話法:He asked how I commuted to work.
直接話法 : “Do you have the time?”
→ 間接話法:He asked if I had the time.
5. 間接疑問文の5つの注意点
その1
間接疑問文は、肯定文を付け加えるだけですので、普通の疑問文と違って主語と動詞の位置は逆にしなくて大丈夫です。つまり、Could you tell me where can I find a bank?ではなく、Could you tell me where I can find a bank?になります。
その2
Yes/Noで答えられるCould you tell me…?の様な間接疑問文は「はてなマーク」が必要ですが、その他のI was wondering…の様な文は「ピリオド・点」で終わります。
その3
Yes/Noで答えられる間接疑問文はifやwhetherを使います。どちらも意味は似ていますが、ifを使用して条件を導入し、2つの選択肢がある場合にifを使用します。区別の仕方は、whetherと一緒にorを使うという点です。
その4
間接疑問文の最後は短縮した動詞は使いません。Do you know where he’s?ではなく、Do you know where he is?になります。
その5
Could you tell me…?に関しては、社内の同僚や友人から丁寧に情報を得るときに使いますが、ビジネスで他社の方やクライアントに対してはやや失礼に聞こえます。更に丁寧にしたい場合は、Could you inform me of…?(「〜について伺ってもよろしいでしょうか?」)を使います。また、「教えてください」はこの場合、teachは不自然に聞こえます。
The Takeaway(要点):
英語の間接疑問文は、情報を求めたり、お願いをしたりする為のより丁寧な言回しです。普通の疑問文とは異なって、導入のフレーズをいくつか知っていれば、文法で混乱せず、簡単に丁寧な質問が作れますので、どんどん先生や上司に質問をしましょう!
間接疑問文によって、丁寧さだけでなく、疑問に感情や思いを加えることも出来ます。例えば、I was wondering…は「以前から疑問に思っていましたが」というニュアンスが伝わります。
また、I was wonderingから始まる間接疑問文の中には肯定文の中に疑問のニュアンスが含めれているので、文を書く際は『?』が不要な時があります。また、喋る際はイントネーションに気をつけましょう!
Thank you for reading until the end! I wonder if there are other ways we can use indirect questions…