英語でのプレゼンは何とか乗り切れても、その後の質疑応答(Q&A)で言葉に詰まってしまう――そんな経験がある人は多いのではないでしょうか。質問の内容が聞き取れなかったとき、答えを考える時間が欲しいとき、複数の質問が一気に飛んできたとき。こうした場面で使える英語表現を知らないと、沈黙してしまったり、焦って的外れな答えをしてしまったりします。
日本語の質疑応答では、質問への沈黙は「考えている証拠」「真剣に受け止めている証拠」として好意的に受け取られることがあります。しかし英語の質疑応答では、沈黙が数秒続くだけで「準備不足」「答えられない」という印象を与えかねません。大切なのは、黙り込む代わりに「今考えています」と言葉で示すことです。この一言があるだけで、聴衆は安心してあなたの答えを待ってくれます。
本日は、プレゼン質疑応答の英語50選を、講師として18年以上の経験を持つネイティブ・スピーカーで異文化コミュニケーションの専門家(米・仏・日)である筆者が紹介します。
目次
1. 聞き直す・確認する表現

解説: すでにQ&Aセッションが始まっている前提で進めますが、質問を受け付ける場面の切り出し方についてはプレゼンの締め方75選|クロージングフレーズ完全ガイドで詳しく解説しています。質問が聞き取れなかったり、意図がはっきりしなかったりするとき、日本語では「もう一度お願いします」と言うだけで済むことが多いですが、英語の質疑応答ではもう一歩踏み込んで「つまりこういうことですか?」と自分の言葉で言い換えて確認する習慣が重視されます。これには2つの利点があります。1つは、答えの方向性を間違えずに済むこと。もう1つは、聴衆全体に質問の内容を共有できることです(大きな会場では、質問者の声が全員に届いていないことがよくあります)。初心者はまず、聞き取れなかったときに素直に聞き返すフレーズを1つ覚えておくだけでも安心感が違います。
- Could you repeat the question, please?
質問をもう一度お願いできますか? - Sorry, could you say that again?
すみません、もう一度言っていただけますか? - Just to make sure I understand your question,
質問の意図を確認させていただきますと、 - Are you asking about…?
…についてお聞きになっていますか? - So, if I understand correctly, you’re asking…
つまり、私の理解が正しければ、あなたが聞いているのは… - Let me make sure I’ve got your question right.
質問を正しく理解できているか確認させてください。 - Could you clarify what you mean by…?
…というのはどういう意味か教えていただけますか? - When you say…, do you mean…?
…とおっしゃるのは、…という意味でしょうか? - Could you rephrase that so I make sure I answer the right question?
正しい質問に答えられるよう、別の言い方で言っていただけますか? - Sorry, I didn’t quite catch that. Could you say it again?
すみません、聞き取れませんでした。もう一度お願いできますか? - Just to confirm, your question is about…?
確認ですが、ご質問は…についてでよろしいですか? - Let me repeat the question for everyone.
皆さんのために、質問を繰り返させていただきます。 - So your question is whether…? つまりご質問は、
…かどうかということでしょうか? - I think you’re asking about… Is that right?
…についてお聞きになっていると思いますが、合っていますか? - Could you be a bit more specific?
もう少し具体的に教えていただけますか? - To paraphrase your question,
ご質問を言い換えますと、 - Let me check I understood you correctly.
正しく理解できているか確認させてください。
2. 時間を稼ぐ表現

解説: 日本語の会話や会議では、答える前の沈黙は「熟考している」というポジティブなサインとして受け取られることが多く、あえて言葉にする必要は感じられません。しかし英語の質疑応答では、無言の間が2〜3秒続くだけで、聴衆は「答えられないのでは」と不安になります。ここで役立つのが「時間を稼ぐ」表現です。これは誤魔化しではなく、「今、真剣に考えています」ということを言葉にして伝える、れっきとしたコミュニケーション技術です。初心者ほど、質問された瞬間にすぐ答えようとして焦ってしまいがちですが、こうした一言を挟むだけで、考える時間を自然に確保できます。
- That’s a good question. Let me think about that for a moment.
良い質問ですね。少し考えさせてください。 - Give me a second to think about that.
少し考える時間をください。 - Hmm, let me think…
うーん、ちょっと考えますね… - That’s an interesting point. Let me consider that.
興味深い視点ですね。考えてみます。 - Good question — let me gather my thoughts.
良い質問です——少し考えをまとめさせてください。 - I want to give you a thoughtful answer, so give me a moment.
しっかりお答えしたいので、少しだけ時間をいただけますか。 - Let me think about how best to answer that.
どう答えるのが一番良いか、考えさせてください。 - That’s worth thinking through carefully.
それはじっくり考える価値がありますね。 - Let’s see…
そうですね… - I need a moment to think about that one.
それについては少し考える時間が必要です。 - That’s a great question, and I want to answer it properly.
素晴らしい質問なので、きちんとお答えしたいと思います。 - Let me pause for a second here.
ここで少し間を取らせてください。 - Actually, that’s a really good point.
実は、それは本当に良い指摘ですね。 - I haven’t thought about it from that angle — let me consider it.
その視点では考えていませんでした——少し考えさせてください。 - Let me take a moment before I answer.
お答えする前に、少し時間をいただきます。 - That’s a fair question. Bear with me for a second.
もっともなご質問です。少々お待ちください。 - I want to make sure I answer this well, so just a moment.
きちんとお答えしたいので、少々お待ちください。
3. 複数の質問・厳しい質問への対応表現

解説: 質疑応答では、一度に複数の質問が飛んでくることも、意見の対立するような厳しい質問が来ることもあります。日本語の場では、こうした場面をやんわりとかわしたり、後で個別に対応したりすることが自然に行われますが、その「やんわり感」を英語でどう表現すればいいか分からず、結局しどろもどろになってしまう人が少なくありません。ここで紹介する表現は、質問を一つずつ整理する、答えにくい質問を丁寧に先送りする、異なる意見に敬意を払いながら自分の立場を伝える、という3つの目的に使えます。特に「反論されているわけではなく、視点が違うだけ」と捉え直す姿勢が、英語の質疑応答では重要です。
- Let’s take these one at a time.
一つずつお答えしていきましょう。 - I’ll answer your first question, then come back to your second one.
まず一つ目の質問にお答えして、その後二つ目に戻りますね。 - That’s a great question, but it’s slightly outside today’s scope.
良い質問ですが、今日のテーマからは少し外れる内容ですね。 - Let’s park that question and come back to it later, if that’s okay.
その質問はいったん置いておいて、後で戻ってもよろしいですか。 - That’s a fair point, though I see it a bit differently.
もっともな指摘ですが、私は少し違う見方をしています。 - I appreciate the challenge — let me address that directly.
厳しいご指摘、ありがとうございます——率直にお答えします。 - Let’s take one question at a time so I can give each a proper answer.
それぞれにきちんとお答えできるよう、一つずつ進めましょう。 - I’ll take a couple more questions and then circle back to yours.
あと数件質問を受けてから、あなたの質問に戻りますね。 - That’s a tough question — let’s discuss it in more detail after the session.
難しい質問ですね——セッションの後で詳しくお話しさせてください。 - I understand your concern, and here’s how I’d respond to that.
ご懸念は理解しています。それについては、このようにお答えします。 - Let me answer that as directly as I can.
できるだけ率直にお答えします。 - I see where you’re coming from, but let me offer another perspective.
おっしゃりたいことは分かります。ただ、別の視点もご紹介させてください。 - That’s outside my area of expertise, but I can follow up after this.
それは私の専門外ですが、後ほどフォローアップさせていただきます。
※「わからない」をやわらかく伝える他の言い方は「説明」関連の単語と表現105選で詳しく扱っています。 - Let’s take the next question, and I’ll come back to that point if we have time.
次の質問に移りましょう。時間があればその点に戻ります。 - I hear you — let me address that concern.
おっしゃること、よく分かります——そのご懸念にお答えしますね。 - That’s a valid point. Let me respond to it honestly.
もっともな指摘です。正直にお答えします。
The Takeaway(要点):
質疑応答(Q&A)で一番大切なのは、完璧な答えを即座に出すことではなく、「今、あなたの質問にきちんと向き合っています」という姿勢を言葉で示し続けることです。今回紹介した50選は、①聞き直す・確認する、②時間を稼ぐ、③複数の質問・厳しい質問に対応する、という3つの場面をカバーしています。
まず覚えてほしいのは、時間稼ぎの表現です。沈黙を恐れて焦って答えるより、”Let me think about that for a moment.” の一言を挟むほうが、はるかに落ち着いた印象を与えます。次に、聞き直す表現を1つ、そして厳しい質問への切り返しを1つ、合計3つのフレーズから練習を始めてみてください。
You don’t need a perfect answer for every question — you just need the confidence to take a breath, buy yourself a moment, and respond like you mean it.
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