大学の授業や企業研修、ビジネスセミナーでは、エレベーターピッチやセールスピッチの練習がよく行われます。売り込みのコツを教える本も数え切れないほどあります。たとえば、ダニエル・ピンクの『人を動かす、新たな3原則』(原題 To Sell Is Human、講談社、2013年)は、さまざまな売り込み(ピッチ)の型を紹介しています。アメリカには、起業家が投資家の前で自分の事業を売り込むリアリティ番組『シャークタンク』(Shark Tank)まであります。この「投資家の前で売り込む」形式は、2001年に日本テレビで始まった『マネーの虎』が原点とされています。その後、2005年にイギリスで『ドラゴンズ・デン』が放送されました。これほど多くの人が売り込みを練習するのは、なぜなのでしょうか。理由の一つは、短い時間で要点を伝え、相手に行動してもらう力を鍛えられることです。英語で30〜60秒に収めようとすると、専門用語や複雑な説明を平易な言葉に直し、いちばん伝えたい価値を先に言うことになります。繰り返し練習すれば、暗記した原稿が自然な話し方に近づき、言いよどみも減らしやすくなります。大学生にとっては、就職イベントや交流の場で、1分ほどで専攻や取り組み、将来の目標を伝える練習にもなります。英語プレゼンの場合、私はさらに、商品を売ること自体よりも、聞き手にとってのメリットを言葉にして届ける練習だと考えています。
ところが、多くの発表は「軽い」「安い」「新しい」といった特徴(feature)を並べて終わってしまいます。聞き手の頭にあるのは「で、それは私にとって何がいいの?」という疑問です。日本語では「軽くて持ち運びやすい」と特徴を言えば、メリットは聞き手が察してくれる、という前提がよくあります。いわゆる高コンテクスト文化のコミュニケーションです。一方、英語は低コンテクストで、メリットは話し手が言葉にして初めて伝わるものと考えられています。また、討論や発表で、原因と結果をつなげて説明するのは、意外と難しいものです。そこで英語では “It’s light, so you can carry it all day.” のように、特徴のあとに橋渡しの言葉(which means / so you can)を置いて、聞き手の得をはっきり言います。主語を “you” にして、相手の利益として語るのも英語らしい型です。
本日は、英語プレゼンで特徴をメリットに変える表現85選を、講師として18年以上の経験を持つネイティブ・スピーカーで異文化コミュニケーションの専門家(米・仏・日)である筆者が紹介します。
目次
- 「特徴」だけでは伝わらない英語プレゼン|原因と結果をつなぐ表現
- 「あなた」を主語にして英語プレゼンのメリットを語る|I と you の使い分け
- 「allows you to」「makes it easy to」で英語プレゼンのメリットを動詞で伝える
- 時間・お金・手間を節約するメリットを英語プレゼンで伝える
- 悩みを解決するメリット|「困りごと」から入る英語プレゼン表現
- 気持ち・体験のメリットを英語プレゼンで伝える
- 英語プレゼンのメリットを数字・証拠で裏づける
- 他の商品と比べて英語プレゼンのメリットを際立たせる
- 問いかけで始める英語プレゼン|Have you ever wished …? / What if …?
- 英語プレゼンの型「AIDA」|注意→関心→欲求→行動でメリットを伝える
- 英語プレゼンの型「PAS」|問題→悪化→解決でメリットを際立たせる
- 特徴からメリットを一文で言い切る決めフレーズ
- 自分の体験でメリットを語る英語プレゼン|Here’s what I do
- THE TAKEAWAY(要点)
1. 「特徴」だけでは伝わらない英語プレゼン|原因と結果をつなぐ表現

解説: feature(特徴)は「それが何であるか」、benefit(メリット)は「それがあなたに何をしてくれるか」です。面白いことに、どちらもラテン語の facere(作る・行う)が語源です。feature は「作られたもの(つくり)」、benefit は bene(良く)+ facere で「良い行い」から来ています。つまり「つくり」を言うだけでなく、それが生む「良い行い」まで言い切るのがセールスピッチです。型は「特徴 + , which means / so + メリット」です(メリットの主語は you だけでなく、I や it などでも構いません。使い分けはセクション2で解説します)。日本語の「〜なので便利です」は1文で済みますが、英語では特徴とメリットを2つの節に分けて、メリットを主役にします。本論の組み立ては英語プレゼンの本論の作り方も参考にしてください。
⚠️よくある間違い(原因と結果がつながらない):
討論や発表で多いのは、特徴を並べるだけで「だから何が起きるのか」を言わないパターンです。特徴が原因、メリットが結果なので、2つを接続の言葉でつなぎます。
特徴(原因)→ , which means / so / That’s why → メリット(結果)
❌ It is light. It is convenient. It is good for students.
⭕️ It is light, so I can carry it all day. That’s why it’s good for students.
because(なぜなら)や thanks to(〜のおかげで)など、理由から入る言い方はセクション12にまとめています。
⚠️よくある間違い(because と so を重ねる):
日本語の「〜なので、〜」を英語にするとき、Because …, so … のように because と so の両方を使ってしまうことがよくあります。英語では、理由と結果をつなぐ言葉はどちらか一方だけです。
❌ Because it is light, so you can carry it all day.
⭕️ It is light, so you can carry it all day.
⭕️ Because it is light, you can carry it all day.
It lasts 20 hours, so you don’t need to charge it at school.
20時間もつので、学校で充電する必要がありません。
This bag is very light, so I can carry it all day.
このバッグはとても軽いので、一日中持ち歩けます。
It’s waterproof, which means it still works in the rain.
防水なので、雨の日でも使えます。
The app is free, which means anyone can try it without any risk.
このアプリは無料なので、誰でもリスクなしで試せます。
It’s small enough to fit in my pocket, so I can take it anywhere.
ポケットに入る大きさなので、どこへでも持っていけます。
The screen is large, which makes the text easy to read.
画面が大きいので、文字が読みやすいです。
It has a timer, so you never forget to take a break.
タイマーが付いているので、休憩を忘れません。
2. 「あなた」を主語にして英語プレゼンのメリットを語る|I と you の使い分け

解説: 日本語は主語を省いて「便利です」「おすすめです」と商品を主役にしがちです。英語では you を主語にして「あなたは〜できる」と、聞き手を物語の主人公にします。you can / you’ll / you get / you don’t have to が基本の4つです。「あなたは〜できます」は日本語だと押しつけがましく感じる人もいますが、英語では聞き手に当事者意識を持たせる、ごく普通の丁寧な言い方です。ただし You should buy this.(これを買うべきです)は強すぎるので避けましょう。
⚠️よくある間違い:
英語の発表では、安心できる主語として I を連発してしまうことがよくあります。I は最初に習う代名詞で、you は「あなた」のように失礼かもしれないと感じやすいため、自分の意見である I に頼りがちです。日本語の「〜と思います」をそのまま I think と訳すことも、I が増える一因でしょう。ただし I を重ねると、話の中心が聞き手ではなく話し手になってしまいます。
❌ I think this plan is good. I think it saves money. I want to introduce the features.
⭕️ This plan saves you money. You can see every feature on the next slide.
冒頭で一度 Today, I’d like to introduce … と言うのは自然ですが、I で始まる文が続かないようにしましょう。使い分けの目安は次のとおりです。I の体験談の話し方はセクション13で扱います。
| 主語 | 役割 | 例 |
|---|---|---|
| I | 証拠・おすすめ・体験談 | I recommend it. / I used it for three months. |
| you | メリット・行動 | You can save an hour. / Try it this week. (命令形は you が省略された形) |
| it / this | 商品の特徴 | It lasts 20 hours. |
| let’s / we | 一緒に次へ進む(行動) | Let’s talk about the next step. |
高コンテクストの日本語では「私は〜と思います」と話し手の気持ちで主張を包むのが丁寧ですが、低コンテクストの英語の売り込みでは、聞き手の得(you)と、事実や体験の証拠(I)を分けて言うほうが、はっきり伝わります。
With this app, you can practice English in five minutes a day.
このアプリなら、1日5分で英語を練習できます。
You’ll save 30 minutes every morning.
毎朝30分節約できます。
You get a free case with every order.
ご注文ごとに無料のケースが付きます。
You don’t have to carry heavy books anymore.
もう重い本を持ち歩く必要はありません。
You’ll never miss your train again.
もう電車に乗り遅れることはありません。
You can finish your homework faster.
宿題をもっと早く終えられます。
3. 「allows you to」「makes it easy to」で英語プレゼンのメリットを動詞で伝える

解説: メリットを言う動詞の型を覚えると、you can 以外の言い方が増えて、発表が単調になりません。基本は5つです:
・allow + 人 + to …(〜できるようにする)
・make it easy to …(〜するのを簡単にする)
・make your life easier(生活を楽にする)
・Now you don’t have to …(これで〜しなくてよい)
・gain(〜を得る)
語順の間違いに注意しましょう。allow は必ず「人」が必要で、
❌ allows to study → ⭕️ allows you to study です。
make it easy to も it が必要で、
❌ makes easy to → ⭕️ makes it easy to です。
また、商品を主語にして「商品があなたにできることを与える」と言うのは英語の定番の型で、日本語の「〜できます」(人が主語)とは発想が逆になります。save(節約する)は「失わずにすむ」、gain(得る)は「増やす」と、同じ時間でも見方が違うので、セクション4と合わせて使い分けましょう。
日本語の広告では「〜するために開発されました」のように受け身がよく使われます。英語にするとき、be 動詞が落ちて This app developed for students. となりやすいので注意しましょう。受け身は be + 過去分詞で、This app was developed for students. / This app is designed to save you time.(このアプリは時間を節約するように作られています)のように be が必要です。誰がしたのかを伝えたいときは、We built this app to save you time. と能動態にします。
This app allows you to study anywhere.
このアプリなら、どこでも勉強できます。
It allows you to pay with your phone.
スマホで支払えます。
It makes it easy to find what you need.
必要なものが簡単に見つかります。
It makes it easy to keep your notes in one place.
ノートを1か所にまとめるのが簡単になります。
This little tool makes your life easier.
この小さな道具は、あなたの生活を楽にしてくれます。
Now you don’t have to wait in line.
これで、並んで待つ必要はありません。
You’ll gain an extra hour every day.
毎日1時間、余裕ができます。
4. 時間・お金・手間を節約するメリットを英語プレゼンで伝える

解説: 最も伝わりやすいメリットは「時間」「お金」「手間」の3つです。save(節約する)、cut(減らす)、pays for itself(元が取れる)が基本表現です。フランス語では「時間を節約する」を gagner du temps(時間を稼ぐ・得る)と言い、日本語や英語の「節約」とは発想が少し違うのも面白い点です。どの言語でも、聞き手が自分の生活に置き換えやすいのは、このお金・時間・手間のメリットです。
It saves me about an hour every day.
毎日1時間ほど節約できています。
It costs only 500 yen a month.
月500円しかかかりません。
It’s cheaper than buying coffee every day.
毎日コーヒーを買うより安上がりです。
You can cut your cooking time in half.
料理の時間を半分に減らせます。
It takes just three steps to set up.
設定はたった3ステップです。
It pays for itself in two months.
2か月で元が取れます。
5. 悩みを解決するメリット|「困りごと」から入る英語プレゼン表現

解説: 「この商品は〜です」から始めるより、聞き手の困りごとから始めるほうが、メリットが強く伝わります。日本語では相手の問題を指摘するのは失礼に感じ、遠回しにしがちですが、英語の売り込みでは先に問題を言葉にするのが自然です。コツは If you …(もし〜なら)や Have you ever …?(〜したことはありますか)で入ること。You always forget … のように決めつけると責めているように聞こえるので避けます。
問題点を伝えるときは、You have a big problem with your data security. のように you で直接指摘すると、責められているように聞こえることがあります。問題は Many companies struggle with data security.(多くの会社がデータ管理に苦労しています)と一般的に言い、解決策やメリットを話すときに you を使うと、角が立ちません。
また、「家を買いたい人は」を a person who wants to buy a house と訳すと硬くなります。
❌ If you are a person who wants to buy a house, you will use our app.
⭕️ If you’re looking to buy a house, this app is built for you.
問題の言い方を変えて、会話を有利な方向へ導く表現は、英語で相手を動かすフレーズのリフレーミングの章も参考にしてください。
If you forget deadlines, this app can fix that.
締め切りを忘れがちな人には、このアプリが解決してくれます。
If you hate cold coffee, this mug keeps your drink hot for six hours.
冷めたコーヒーが嫌いな人には、このマグは6時間温かさを保ちます。
If you often lose your keys, this tracker is for you.
よく鍵をなくす人には、このトラッカーがぴったりです。
It takes the stress out of cooking.
料理のストレスをなくしてくれます。
You never have to worry about a low battery again.
電池切れの心配はもういりません。
It solves the problem of messy notes.
ノートがごちゃごちゃする問題を解決します。
6. 気持ち・体験のメリットを英語プレゼンで伝える

解説: メリットには「便利・安い」といった機能面だけでなく、「楽しい・安心する」といった気持ちの面もあります。日本語では「癒される」「ほっとする」と言いますが、英語では feel(感じる)や make … fun(〜を楽しくする)で表せます。感情のメリットを直接語ると日本語では大げさに聞こえることがありますが、英語では普通です。ただし「必ず」「絶対」といった保証は避け、will ではなく can や after just … のように、現実的な範囲で言いましょう。
気持ちと理屈の使い分けは、エトス・パトス・ロゴスの視点で整理した英語で相手を動かすフレーズでも詳しく解説しています。
You’ll feel calm after just five minutes.
たった5分で気持ちが落ち着きます。
It makes studying more fun.
勉強がもっと楽しくなります。
You can enjoy real ramen at home.
家で本格的なラーメンが楽しめます。
It gives you the confidence to speak English.
英語を話す自信をくれます。
It feels like sitting in a quiet café.
静かなカフェにいるような気分になります。
Every bite makes you smile.
ひと口ごとに笑顔になります。
7. 英語プレゼンのメリットを数字・証拠で裏づける

解説: メリットは「主張」です。主張だけでは「本当?」と思われるので、数字・体験・出典で裏づけます。日本語なら「みんな使っています」で通じる場面でも、英語では「誰が」「何人」「どれくらい」まで求められます。本記事の例文の数字は練習用の架空のものです。本番では、必ず自分で確かめた実際の数字を使ってください。証拠のない “the best” や “No.1” は逆効果になります。According to …(〜によると)で出典を示す習慣もつけましょう。論理で説得する表現は、英語で相手を動かすフレーズのロゴスの章も参考にしてください。
In my test, it saved me 40 minutes a week.
試してみたところ、週に40分節約できました。
I used it for three months, and my score went up by 50 points.
3か月使って、スコアが50点上がりました。
Ten of my friends tried it, and nine of them kept using it.
友達10人が試して、9人が使い続けています。
It costs 300 yen less than the same product at the store.
店の同じ商品より300円安いです。
According to the company, it lasts twice as long as other brands.
会社によると、他のブランドの2倍長持ちします。
As you can see in this photo, my desk is much cleaner now.
この写真のとおり、私の机はずっときれいになりました。
Let me give you a real example from my own week.
私自身の1週間から、実際の例をお話しします。
8. 他の商品と比べて英語プレゼンのメリットを際立たせる

解説: メリットは比べると際立ちます。compared with(〜と比べて)、unlike(〜と違って)、than(〜より)、the only(唯一の)が基本です。日本語では他社や他の商品を下げるのは控えめにしますが、英語では事実にもとづく比較は普通に行われます。ただし悪口にならないよう、「他が悪い」ではなく「これはここが良い」と言うのがコツです。the only は本当に唯一のときだけ使いましょう。また、「新しい」「最新」だけを理由に勝ったと言わず、新しいことで何が良くなるのかを事実で比べましょう(セクション1参照)。
Compared with other apps, this one is easier to use.
ほかのアプリと比べて、これは使いやすいです。
Unlike a paper dictionary, it says the word out loud for you.
紙の辞書と違って、単語を声に出して読んでくれます。
It’s lighter than most laptops.
ほとんどのノートパソコンより軽いです。
It’s the only café near campus that opens at 7 a.m.
キャンパス近くで朝7時に開く唯一のカフェです。
Other brands are cheaper, but this one lasts longer.
他のブランドは安いですが、これのほうが長持ちします。
It does the same job in half the time.
同じ仕事を半分の時間でこなします。
9. 問いかけで始める英語プレゼン|Have you ever wished …? / What if …?

解説: 発表の冒頭に問いかけを置くと、聞き手が「自分のこと」として考え始めます。これが修辞疑問(rhetorical question)で、答えを求めず、考えさせるための質問です。日本の発表では、質問すると沈黙になるのが怖くて避けがちですが、修辞疑問は答えを待たなくて大丈夫です。1〜2秒の間(ま)を置いて、すぐ続けましょう。1回の発表で使うのは1回〜2回で十分です。冒頭の組み立ては英語プレゼンの冒頭フレーズも参考にしてください。文法では、Have you ever wished for + 名詞(〜がほしいと思ったことは?)が初心者には簡単です。What if I told you …? は劇的で、人によっては煽っているように聞こえることもあります。控えめに話したい人は What if you could …?(〜できるとしたら?)のほうが使いやすいでしょう。日本語は「〜ではないでしょうか」と推測で寄り添いますが、英語は直接の問いかけで聞き手を巻き込みます。
補足①(なぜ問いかけで始めるのか): 発表は、料理の宅配のように一方的に届けるものではなく、聞き手との対話(言葉のキャッチボール)だと私は考えています。冒頭の問いかけは、聞き手の頭を目覚めさせ、考えるスイッチを入れます。そのあと発表者が答えを言うと、「確かに!」という納得(”aha!”)が生まれ、聞き手との共感の接点ができます。聞き手の反応がまったくないまま発表を始めるのは、発表者にとって一番つらい状況の一つです。研究でも、聞き手がもともとあまり強い関心を持っていない話題では、修辞疑問がメッセージについて考える量を増やしたと報告されています(Petty ら, 1981。Blankenship & Craig, 2006 による要約)。ただし、聞き手がすでに強い関心を持っている場合は、かえって考える量が減ったとも報告されています。聞き手の関心の高さで効果が変わる点には注意しましょう。
補足②: ダニエル・ピンクは、売り込みの型の一つとして「質問型ピッチ」を紹介し、主張(根拠)が強いときに使うよう勧めています。根拠が弱いときは、質問ではなく断定で言うか、先に新しい根拠を探すほうがよい、という考え方です。問いかけは聞き手に自分で答えを考えさせます。だからこそ、問いかけで始めるなら、聞き手が「そうそう!」と答えたくなる、強いメリットを用意しておきましょう。
Have you ever wished for more time in the morning?
朝にもっと時間があったらと思ったことはありませんか?
Have you ever forgotten your umbrella on a rainy day?
雨の日に傘を忘れたことはありませんか?
Do you ever feel too tired to cook after class?
授業のあと、疲れて料理する気になれないことはありませんか?
What if I told you there is an easier way?
もっと簡単な方法があるとしたら、どうしますか?
What if you could study English without any stress?
ストレスなしで英語を勉強できるとしたら、どうですか?
Wouldn’t it be great if cooking took only five minutes?
料理が5分で済んだら、すごいと思いませんか?
Imagine a morning with no rush at all.
少しも慌てない朝を想像してみてください。
10. 英語プレゼンの型「AIDA」|注意→関心→欲求→行動でメリットを伝える

解説: AIDA は、Attention(注意)→ Interest(関心)→ Desire(欲求)→ Action(行動)の4段階で、聞き手の気持ちを動かす型です。Attention は聞き手の注意をつかむ一言、Interest は商品を簡潔に紹介する部分、Desire は使ったあとの未来を見せる部分(ここがメリットの中心)、Action は次の一歩を具体的に頼む部分です。4段階なので、スライドが4〜5枚のセールスピッチでは、タイトルスライドにフック(Attention)を置き、2枚目を Interest、3枚目を Desire、4枚目を Action にすると収まりやすくなります。注意点が2つあります。1つ目は、Attention の「驚く数字」は、必ず自分で確かめた数字か、自分の体験(I lose five hours a week …)にすることです。出典のない統計を事実のように言うのは避けましょう。2つ目は、Desire で未来を語るときは、will よりも can / could を使うことです。特に投資家向けの発表で「必ず儲かる」と約束するような言い方は、信頼を下げます。例文の数字は練習用の架空のものです。
【Attention(注意)】
I lose five hours a week looking for my notes.
私は、ノートを探すのに週5時間も失っています。
Last month, I missed three deadlines.
先月、私は締め切りを3回逃しました。
【Interest(関心)】
This app keeps all your notes in one place.
このアプリは、ノートをすべて1か所にまとめます。
【Desire(欲求)】
You can find any note in five seconds.
どんなノートも5秒で見つけられます。
Imagine walking into an exam with everything in order.
すべてが整った状態で試験に臨むところを想像してください。
【Action(行動)】
Try it for free this week.
今週、無料で試してみてください。
Let’s talk about the next step after this presentation.
この発表のあと、次のステップについて話しましょう。
11. 英語プレゼンの型「PAS」|問題→悪化→解決でメリットを際立たせる

解説: PAS は、Problem(問題)→ Agitation(悪化・痛みの強調)→ Solution(解決)の3段階です。まず聞き手の問題を言い、放っておくとどうなるかを描き、そのうえで解決策、つまりメリットを出します。PAS の背景には、損失回避(loss aversion)という行動経済学の考え方があります。人は、同じ大きさの「得」よりも「損」のほうを強く感じやすい、というものです。損失回避の強さは国によって差があることが、45か国の調査で報告されています。ただし、どの国の聞き手にどれだけ効くかまでは、この記事では断定しません。「西洋の営業文化だけの手法」とも言えません。
【Problem(問題)】
Phone bills are hard to predict.
電話代は予測しにくいものです。
It’s hard to plan your budget.
予算を立てるのが難しくなります。
【Agitation(悪化)】
One long call can ruin your budget for the whole month.
1回の長電話で、1か月分の予算が台なしになることもあります。
Then you feel stressed every time you check your bill.
すると、請求書を見るたびにストレスを感じます。
【Solution(解決)】
This flat-rate plan removes that worry.
この定額プランなら、その心配はなくなります。
You pay the same amount every month, no matter what.
何があっても、毎月同じ金額です。
12. 特徴からメリットを一文で言い切る決めフレーズ

解説: 最後は、特徴とメリットを1文でつなぐ「型」です。because / thanks to で特徴を言い、you can でメリットを言います。「だからこそ」の That’s why、「あなたにとっては」の What this means for you、まとめの In short も、スライドの最後に便利です。スライドが5枚以内なら、1枚に「特徴1つ + メリット1つ」を目安にすると、時間内に収まりやすくなります。なお、スライドの見出しや箇条書きなら Saves 30 minutes a day. のような主語なしの短い形も使えますが、口で話すときは主語を入れましょう。セクション10の AIDA と組み合わせれば、1枚1段階で組み立てられます。メリットは3つまでに絞ることもおすすめです。2〜3分の発表なら1つにつき30〜40秒ほどで収まり、聞き手も整理しやすい数です。3つにまとめるのは話し方の慣習としてよく勧められる型で、研究で3つが最適と証明されているわけではなく、時間と慣習にもとづく目安です。締めくくりの作り方は英語プレゼンの結論の言い方で、つなぎの言葉は英語プレゼンのサインポストフレーズ95選で詳しく解説しています。
Because it is so small, you can take it anywhere.
とても小さいので、どこへでも持っていけます。
Thanks to its simple design, anyone can use it.
シンプルなデザインのおかげで、誰でも使えます。
That’s why I recommend it to every student.
だからこそ、私はすべての学生におすすめします。
The best part is that it’s free.
いちばんいいところは、無料だということです。
What this means for you is more free time.
これはあなたにとって、自由な時間が増えるということです。
In short, it saves you time and money.
つまり、時間もお金も節約できます。
13. 自分の体験でメリットを語る英語プレゼン|Here’s what I do

解説: セクション2で、I は「証拠・おすすめ・体験談」に使うと整理しました。ここでは、その体験談を話し言葉でどう言うかを学びます。くだけた話し言葉でよく使われる Here’s what I do(私はこうしています)や What I like to do is …(私がよくやるのは〜です)は、自分のやり方を「共有する」言い方です。「これを買うべきです」と押しつけるのではなく、「私はこうして役に立った」と体験として差し出すので、控えめに話したい学生にも使いやすい型です。使うときのルールは3つあります:
- 本当にした体験だけを話す: 作り話や盛った数字は、信用を落とします(セクション7参照)。本記事の数字は練習用の架空のものです。
- 1回の発表で1〜2回まで: どれも I の文なので、続けて使うと I の連発になります(セクション2参照)。
- 「ふつうのやり方」と対比する: Most people … Here’s what I do instead. のように対比すると、なぜ自分のやり方が違うのか(原因と結果)が伝わります。
文法では、What I like to do is のあとに check のような動詞の原形を続けるのが自然です。また、ここまでの文はクラスメイトに話しかけるくだけた調子です。投資家など改まった相手の発表では、I を We(事業の主語)に変えて、What we do differently is … と言うと、個人の好みではなく、事業の強みとして聞こえます(最後の例文)。
❌ I have the same one at home.
⭕️ I use the same one at home every morning, and it’s very easy to clean.
Here’s what I do: I put every deadline in one app.
私はこうしています。締め切りはすべて1つのアプリに入れています。
What I like to do is check my notes on the train.
私がよくやるのは、電車の中でノートを見直すことです。
Most people just write everything down. Here’s what I do instead.
多くの人はただ全部書き出します。私は代わりにこうしています。
This is what finally worked for me.
これが、ようやく私に合った方法です。
Here’s why I switched: it was much easier to use.
乗り換えた理由はこれです。ずっと使いやすかったのです。
I wish I had known about this app in my first year.
1年生のときにこのアプリを知っていたらよかったと思います。
I would definitely recommend this to my younger self.
若いころの自分にも、ぜひおすすめしたいです。
What we do differently is train every guide in English.
私たちの違いは、すべてのガイドに英語の研修をしていることです。
THE TAKEAWAY(要点)
英語プレゼンの説得力は、特徴(feature)を並べることではなく、それが聞き手に何をもたらすか(benefit)を言葉にすることで決まります。日本語では「察してもらえる」部分を、英語では話し手がはっきり言う必要があります。これが高コンテクストと低コンテクストの違いです。
今日から使えるポイントをまとめます:
- 原因と結果をつなぐ: 特徴(原因)のあとに which means / so を置いて、メリット(結果)を言う。because と so は重ねない(セクション1)
- 主語を使い分ける: 商品は it、聞き手は you、自分は I(証拠とおすすめだけ)。主語は落とさない(セクション2)
- 大声でなくていい: 落ち着いた声でも、you を主語にした具体的なメリットで十分に説得力が出る(セクション2)
- 動詞の型を増やす: allows you to / makes it easy to / makes your life easier。allow には「人」、make it easy には it を忘れない(セクション3)
- まず、お金・時間・手間から: 一番伝わりやすいメリット(セクション4)
- 困りごとから入る: If you … で聞き手の悩みに寄り添う(セクション5)
- 損得と気持ちの両方を: 節約・数字(セクション4)に加えて、feel / make … fun で気持ちのメリットも言う(セクション6)
- 証拠を添える: 数字・体験・出典。本番では実際の数字を使う(セクション7)
- 比べて際立たせる: compared with / unlike。他を下げず事実で。「新しい」は特徴であって、それだけではメリットではない(セクション1・8)
- 問いかけで始める: Have you ever wished …? は答えを待たず、1〜2秒の間を置く(セクション9)
- 型で組み立てる: AIDA は1枚1段階、PAS は問題を描いたら必ず解決で終える。未来の約束は can / could(セクション10・11)
- 1文で言い切る: 1スライドに特徴1つ + メリット1つ(セクション12)
- 体験で語る: Here’s what I do … は証拠とおすすめにだけ使い、1〜2回まで。体験のあとには必ずメリットを続ける。投資家などには We を使う(セクション13)
- メリットは3つまで: 時間(2〜3分)と整理しやすさから3つに絞る。研究ではなく慣習にもとづく目安(セクション12)
練習のコツは、自分の商品の特徴を1つ書き、そのあとに “which means …” をつけて、メリットを声に出して言ってみることです。「で、それは私にとって何がいいの?」と、聞き手の立場で自分に問いかけてください。
説得の技術をさらに学びたい方は、信頼・感情・論理の3つで組み立てる英語で相手を動かすフレーズもあわせてどうぞ。
Don’t just tell your audience what it is. Tell them what it does for them. Good luck with your pitch!


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